1.夫がしてくれたことを当たり前と思っていた
以前の夫は、リモコンの電池交換、蛍光灯の交換、玄関の整頓、トイレットペーパーの補充など、気が向いた時だけ「名もなき家事」をやってくれていました。
「私の方が家事の量が多いんだから、それくらいのこと夫がやって当たり前でしょ」と心の中で呟く私。
さらに「名もなき家事」を夫が自慢げに「○○しておいたよ」とわざわざ私に言ってくる。
当時の私は「ちょっと家事の真似事をしたくらいで恩をきせてくるなんて!」との思いが強く「うんうん」と軽くうなずくだけでした。
2.感謝の言葉が嬉しかった
ある時、誕生日でも記念日でもない日にウォーキングから帰ってきた夫が「いつも美味しいご飯を作ってくれてありがとう。感謝の気持ちだよ」と私の好きなケンタッキーフライドチキンを買ってきてくれたのです。
夫からの不意のプレゼントに私は唖然。ただ「ありがとう・・・」と言うのが精いっぱい。
まさか!夫から「ありがとう」と「感謝の気持ちだよ」の言葉をもらえるとは!ケンタッキーフライドチキンをよりも「ありがとう」「感謝の気持ち」がどれほど嬉しかったか。
不覚にも涙してしまいました。
この時ふと私は夫に「ありがとう」を言っているだろうか?感謝の気持ちを伝えているだろうか?夫婦とはいえ、言葉にして口にだして言わなければ伝わらないのではないか?
もしかしたらあの「名もなき家事」も私に恩を着せたかったのではなく、ただ伝えたかっただけのかも?
夫に目を向けていなかったのは私自身だということに気がついたのです。
3.どんなに些細な事でも見逃さずありがとうを言う
それからの私は、どんなに小さなことでも夫がしてくれたことには必ず「ありがとう」と言うことにしました。当初は気恥ずかしさもあって「ありがとう」のひと言を伝えるのがやっと。
しばらくして、ただ「ありがとう」だけでなく、「ありがとう。助かったわ」から「暑い中の買い物は大変だったでしょう。ありがとう」「ゴミ袋重かったでしょう。ありがとう」と、何に感謝をしているのかを分るようにひと言付け加えて私の気持ちを伝えるようにしました
そして最も大事だなと思ったのは、リモコンの電池交換、トイレットペーパーや洗剤の補充、郵便物の仕分けなど、どんなに小さな「名もなき家事」であっても見落とさずに「ありがとう」を伝えること。
夫にはウォーキングから帰ってきたら氷の入った冷たい水を飲むのが習慣あります。
暑い日が続くと氷の在庫が少なくなるので私が補充しておくと「氷補充してくれてありがとう。これでまた冷たい水が飲めるよ」とさりげなく感謝してくれたのです。
このように夫も私の小さな「名もなき家事」に「ありがとう」を言ってくれるようになり、今ではお互いを尊重し認めあえる間柄になったのでは思っています。
4.私たち夫婦にとって「ありがとう」は潤滑油
他人に対しては何かをしてもらったら「ありがとう」を言うのは当然ですが、夫婦間ではもはや暗黙の了解で「ありがとう」なんて言わなくても伝わっているはずと思っていた私。
夫に「ありがとう。感謝している」の言葉を受けて、私は初めて「ありがとう」は口に出して初めて伝わることがわかりました。
今では「ありがとう」の言葉で夫婦関係も円滑に事が運ぶようになり、老後の生活が明るくポジティブになってきたメリットも。
死が私たち夫婦を分かつまで「ありがとう」の感謝の言葉を伝えていきたいと思っています。
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