1.なぜ話し合いをする前の準備が必要か
「定年になったら家事を分担するよ」と夫から自発的に言って欲しいと妻は思っているのではないでしょうか。
しかし、突然夫に「家事を分担してくれない?」と言っても恐らく「はぁ?何で?家事をするのは妻の仕事でしょ」と言われてしまうのがオチ。
なぜなら、60代の昭和脳の夫たちは家事は妻がするものという固定概念が定着していて、おいそれと「わかった!分担するよ」なんて言葉が返ってくるのは難しいのが現実です。
同じく昭和脳を持った我が夫。
50代の頃、何気なく「老後は家事を分担してくれる?」と夫に言ったら「う~ん。そのつもりだけど」と返事を濁して終わったことがあり家事の分担をする気がないと判断。
そこで老後についての話し合いをしたいと申し出た時に、話し合いの内容の項目に「家事を分担する」ことを入れました。
ただOKをもらうには事前の準備が重要になるとの思いから3つのことを実行しました。
1.家事の分担が必要な理由をメモ書き
夫に家事の分担をしてもらうには納得のいく理由がないと理解してもらえません。そこで話し合いの前に以下のことをメモ書きしておきました。
1.なぜ夫に家事を分担して欲しいのか?
2.家事を分担すると夫にとってのメリットは何か?
我が家の場合やみくもに話し合ってもケンカになるだけ。話し合いの時間がムダになるだけでなく、家事の分担が夢物語になる可能性をはらんでいました。
そこで、冷静な話し合いをするには話が横道にそれないようメモ書きしておくことが重要だと思ったのです。
ただし、夫の意見も聞き入れる冷静さをもって話をすすめること。この時を逃したらもう家事の分担なんて夢物語になることも頭にいれておきました。
2.根回しをする
次に私は事前に娘たちに「定年後は家事を分担するよう」夫に言ってもらうよう根回しをしました。
娘を溺愛している夫なら娘たちの言うことに耳を傾けるのではないかと踏んだからです。
娘たちの若い世代でも家事の分担は関心度の高いテーマ。「お父さんとお母さんが仲良く暮らしていけるなら」とOKをもらいました。
妻の話は素直に聞けなくても娘の話は素直に聞き入れる夫って。血は水よりも濃いのでしょう。
3.プチ家出も視野に入れる
家事の分担の話し合いをしても私の思いが夫に届かい場合を想定してプチ家出を準備しておきました。私の真剣度を行動で示すためです。
プチ家出とはいえ実家に帰るだけですが、本音は「家出がきっかけで別居から離婚になったらどうしよう。プチ家出を実行していいのだろうか?」との迷いがありました。
この迷いがむしろプチ家出が実行しなくていいように、冷静に家事の分担について話をする決意が生まれたと思います。
2.そこまでして家事の分担が必要なのか?
1.ひとりの時間が必要
同じ世代の女性たちと同様に私も家事、子育て、仕事をしてきました。自分のためだけに使う時間はほとんどなく家族のためにだけ奔走してきたのです。
もう私の自由な時間なんてないかもしれないと絶望した40代。老後夫婦二人の暮らしに不安を覚え始めた50代。
私が欲しかったのは趣味の音楽を聴いたり本をじっくり読んだり誰にも邪魔されない自由な時間。
この自由な時間を持つには家事の分担が必要だったのです。老後も日々の家事に追われて人生を終わるのを避けたかったのが一つの理由です。
2.家事をとおして夫との関係を見直したい
老後は家事の分担を通して夫との対等の関係でコミュニケーションをアップしたいとの強い希望を持っていました。
それまで私も仕事をしていましたが夫の稼ぎで生活が回っていたことへの引け目。夫の命令口調の話し方に「私は家政婦でもないし、部下でもない」と不満を募らせていたのです。
老後は、夫婦対等に話をしたり一緒に考えながら物事を進めたいとの強い希望がありました。
3.将来夫が独りになっても安心
二人の娘は自立し嫁いでいます。できるだけ娘たちの世話にならずに自立した老後をおくることが目標。
ただ夫婦どちらか一人は残されることは必ずやってくること。もし、夫がひとり暮らしになった時娘たちの世話にならずに身の周りのことは自分で出来て清潔な暮らしと健康を維持してもらいたいのが私の願いなのです。
せめてゴミ屋敷の中で生活して欲しくないし近所や娘たちに迷惑をかけて欲しくない。それには普段から家事が日常の事として慣れている必要があると思っています。
3.老後の家事分担は夫にもメリットが
この後、老後の家事分担は夫からのOKをもらうことができ、私が望んでいた自由な時間も手に入れ、また夫婦のコミュニケショーンがアップし今は穏やかな老後を過ごしています。
家事を分担して2年余り。想像していた以上にメリットがあったのが夫でした。
【妻の私からみて夫が家事を分担したメリットは3つ】
1.娘や母とのコミュニケショーンがアップした
2.日々の買い物で物価の値動きに敏感になった
3.気持ちに余裕ができる
長年一緒に暮らしてきた私たち夫婦にとって改めて話し合いの場を作るのは面倒なこと。まして事前準備をするなんてハードルが高いかもしれません。
でも最初のハードルを飛び越えた今は話し合ってよかったと実感してます。
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